結論からいうと、紅天使は品種名ではなく、紅はるかを一定期間熟成させたブランド名です。紅はるかよりもしっとり甘く感じやすく、焼き芋にすると蜜のような甘さを楽しめます。
ただし、紅天使は紅はるかと同じ品種なので、違いを知らないと売り場や通販で迷いやすいさつまいもです。この記事では、紅天使の特徴、紅はるかとの違い、おいしい選び方、食べ方、保存方法、栄養まで紹介します。
紅天使とは?紅はるかを熟成させたブランド


紅天使(べにてんし)は、さつまいもの品種名ではありません。茨城県かすみがうら市にあるさつまいも卸業者「株式会社ポテトかいつか」が販売しているさつまいものブランド名です。
紅はるかをポテトかいつか独自の貯蔵技術によって熟成させたものだけ「紅天使」という名前で販売することができます。
簡単に書くと、紅天使は一般的に出回っている紅はるかよりも、甘くしっとりしている可能性が高いということです。
紅天使の特徴


紅天使の最大の特徴は、とにかく糖度が高く甘いことです。
「紅はるか」自体が糖度の高いさつまいもなのですが、紅天使の場合ポテトかいつか独自の貯蔵技術により熟成させることでさらに糖度が高くなっていて、焼き芋にすることで糖度が47度にもなるそうです。
じゃがいもの糖度が6度前後、いちごの糖度が10度前後、メロンの糖度が15度前後なので、紅天使は野菜や果物の域を超えたデザートクラスの甘さがあります。
紅天使はホクホク系というよりはしっとり系のさつまいもで、焼いても水分量が多く果肉がやわらかいため、しっとりとしていてなめらかな口当たりです。
繊維質でホクホクタイプのさつまいもが好きな方や、甘すぎるさつまいもが苦手という方に、紅天使はおすすめしにくいです。ホクホク系のさつまいもがお好みの方は紅あずまや鳴門金時がおすすめです。



紅天使が市場に出回るのは12〜4月頃なので見かけた方は買ってみてくださいね。
紅天使と紅はるかの違いをもう少し詳しく解説


紅はるかは、「九州121号」と「春こがね」を交配させて作られたさつまいもの品種です。他の品種のさつまいもと比較して、はるかに甘いということから紅はるかと名付けられました。
上述したように、紅天使は紅はるかという品種のさつまいもを熟成させたものをブランド化したものであるため、同じ品種です。ポテトかいつか独自の貯蔵技術により熟成させるなどの条件をクリアした個体のみ「紅天使」として販売することができます。
熟成させた紅はるかをブランド化したものは、紅天使の他にも大分県の「甘太くん(かんたくん)」や宮崎県の「葵はるか(あおいはるか)」などがあります。
おいしい紅天使の選び方
紅天使を選ぶときは、形、表面、重さ、切り口を順番に確認しましょう。
それぞれがどのような状態ならおいしさにつながりやすいのか、八百屋目線で紹介します。
- ふっくらした形
- 芽やひげ根が生えていない
- ずっしりと重い
- 切り口がきれい
- 切り口付近にシワがない
おいしい紅天使を選ぶとき、まずは形をチェックしましょう。ふっくらした形のさつまいもは良品です。逆にでこぼこしているようなものは食味が落ちるので避けましょう。
次に紅天使の表面のひげ根に注目しましょう。ひげ根が多く生えているものは筋っぽい可能性が高いので避けましょう。芽が出ていることもあります。芽が生えている紅天使は成長に養分を使われてしまい食味が落ちています。芽やひげ根が生えていないものを選びましょう。


鮮度の良い紅天使は水分量が多く重量感があります。数本持ち比べてみて大きさの割に重いものを選びましょう。
最後に切り口付近をチェックしましょう。紅天使は傷んでくると切り口付近が乾燥しシワシワになってきます。カビも生えやすい部分なので、切り口がきれいなものを選びましょう。
紅天使おすすめの食べ方


紅天使はねっとりとなめらかな口当たりで、糖度が高く甘みが強いさつまいもです。
今回は紅天使の特徴がもっとも活きる「焼き芋」にして食べてみました。手順を紹介します。
1.紅天使を水洗いする
2.紅天使の両端を少しカットする
3.紅天使を15分水に浸し、アクを取る


4.オーブントースターで40分(200度)焼く


紅天使の大きさによって焼き時間は調整してください。
アルミホイルで包んで焼くと、蒸したようななめらかな食感の仕上がりになります。ほくほくとした焼き芋らしい食感が好きな方はアルミホイルを巻かずに焼く方法がおすすめです。
紅天使は糖度が高くなめらかな特徴を活かして、スイートポテトや大学芋といったスイーツを作るのにも適しています。
煮物や天ぷらなどのおかずにするのであれば、甘味が強いため好みが分かれます。個人的にはおかずにするなら、比較的甘み控えめな「鳴門金時」や「紅あずま」がおすすめです。甘いのがお好きな方は「紅天使」を使ってみても良いと思います。
紅天使が買える場所


紅天使は全国のスーパーマーケットで販売されていますが、すべてのお店に置いてあるわけではありません。
比較的品揃えが豊富なスーパーには置いてあることがあるので、お近くのお店を探してみてはいかがでしょうか。
茨城県や千葉県、神奈川県の方は「株式会社ポテトかいつか」の直営店でも購入可能です。その他の県の方や、近くに直営店がない方はネット通販でも購入することができます。
株式会社ポテトかいつかの公式ホームページでは、生芋と焼き芋の2種類を販売しています。
さらに、紅天使は茨城県かすみがうら市のふるさと納税の返礼品にもなっています。寄付額10,000円で5kgの紅天使を受け取ることができます。
紅天使の保存方法


紅天使は寒さと、湿気に弱いので両方の対策をして保存する必要があります。
冷蔵庫に入れると中に黒い斑点ができる低温障害を起こします。黒い斑点は苦味があるので紅天使の味が落ちてしまいます。常温の冷暗所がベストですが、気温が20℃を超えると今度は芽がでるので室温と相談して保存場所を決めましょう。
紅天使を常温保存する方法
1.新聞紙に包む


2.常温の冷暗所で保存


常温保存した紅天使の保存期間は1ヶ月程度になります。
紅天使を冷蔵保存する方法
基本的に紅天使は常温の冷暗所がベストですが、室温が高い場合は野菜室に入れることもできます。
紅天使を冷蔵保存する場合は以下の方法で保存してください。
1.新聞紙に包む
2.保存袋に入れる
3.野菜室に入れる
冷蔵保存した紅天使の保存期間は約1ヶ月になります。
紅天使を冷凍保存する方法
紅天使は冷凍することもできます。そのまま冷凍してしまうと食感が損なわれるので以下の方法で冷凍しましょう。
1.よく洗う
2.輪切りにする
3.水にさらしてアクを抜く
4.水気をしっかり拭き取る
5.保存袋に入れる
6.冷凍庫に入れる
冷凍した紅天使は凍ったままバターで炒めたり、凍ったまま味噌汁に入れることで食べることができます。
紅天使の栄養
紅天使は以下の栄養素を多く含んでいます。
ヤラピン
さつまいもを切ったときに出る白い液に含まれる成分で、紅天使にも含まれています。胃の粘膜の保護や腸の動きに関わるとされ、皮の近くに多い栄養成分です。加熱にも比較的強いとされています。
ビタミンC
レモンのイメージが強いビタミンCですが、紅天使にも多く含まれています。
ビタミンCは体の調子を整えるうえで大切な栄養素で、コラーゲンの生成にも関わります。
ビタミンCは、尿や汗で体外に排出されやすいので小まめに摂取するのがポイントです。
ビタミンE
紅天使はビタミンEも豊富に含んでいます。
抗酸化に関わる栄養素で、体内の脂質の酸化を防ぐ働きがあるとされています。
ビタミンCと一緒に摂ると、抗酸化効果が高まります。紅天使には両方含まれているので相乗効果が期待できます。
βカロテン
紅天使はβカロテンも含んでいます。
抗酸化作用がある栄養素として知られ、皮膚や粘膜の健康維持や発育にも関わります。不足すると、暗い場所で目が慣れにくくなることがあります。
カリウム
カリウムは、ナトリウムとともに細胞の浸透圧のバランスを保つ栄養素です。ナトリウムの排出を助ける働きにも関わります。腎臓の機能が低下している場合は、高カリウム血症になることがあるため、摂取量に配慮しましょう。
カルシウム
カルシウムは骨や歯の形成に関わる栄養素です。リン酸と結合して骨や歯などを作るほか、細胞の分裂や神経の働きにも関わります。
食物繊維
さつまいもには食物繊維が多く含まれていることは有名ですが、紅天使も同じです。食物繊維はお腹の調子を整える働きに関わる栄養素です。
おいしい紅天使をたくさん食べてください


紅天使はおいしいだけじゃなく、栄養価も豊富な野菜なんです。
紅天使が市場に出回るのは12〜4月頃なので見かけた方は買って試してみてくださいね。
他にも「抜群に鮮度の良いさつまいもの選び方」や「さつまいもを長持ちさせる保存方法」という記事を書いているので、気になる方は読んでみてくださいね。

















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