「おいしいかぼちゃを見分けられるようになりたい。選び方のポイントが知りたい。」
今回はこんな要望に答えていきます。
この記事で学べること
- おいしいかぼちゃを選ぶ方法が分かる
- 八百屋の目利きのポイントを学んでいける
かぼちゃの選び方


かぼちゃは他の野菜とは違って鮮度が良いものを選んではいけません。
鮮度が悪いものを選べと伝えると、勘違いされそうなのでもう少し補足すると、収穫後時間が経過した完熟したかぼちゃを見分ける必要があります。
私が八百屋で仕事をしていると、お客様からこんな話をされたことがあります。
「調理が悪いのか、選んだかぼちゃが悪いのかわからないけど、水っぽくて料理がびちゃびちゃになった。味も薄くて正直まずかったから全部捨てちゃった。」
同じような経験がある方もいると思いますが、これはかぼちゃが完熟していないことが原因なんです。
かぼちゃは夏の終わりに収穫した後、1〜2ヶ月熟成させる必要があります。この工程ででんぷんが糖に変換され、完熟し、甘くホクホクとしたおいしいかぼちゃになります。
逆に甘味が足りなかったり、ベチャベチャしたカボチャは熟成の工程が足りないか、収穫のタイミングが早かったかどちらかが原因の場合が多いんです。
それでは以上のことを踏まえて完熟したおいしいかぼちゃの選び方を説明していきます。
かぼちゃ(1玉)の選び方


おいしい1玉かぼちゃを選ぶための3つのポイントを紹介します。
- 皮の一部が濃いオレンジ色
- ヘタがコルク質になっている
- ずっしり重い
1玉かぼちゃの選び方1|皮の一部が濃いオレンジ色


かぼちゃを選ぶときは皮の色に注目しましょう。皮が濃い緑色で変色している部分が濃いオレンジ色のモノを選ぶことで熟したかぼちゃを選ぶことができます。
オレンジ色のところはかぼちゃと地面が接地していて日が当たらなかった部分なんです。日が当たらなかった面は中の果肉と近い色をしているので、一部分が濃いオレンジのかぼちゃを選ぶと中身が完熟している可能性が高いということです。
1玉かぼちゃの選び方2|ヘタがコルク質になっている


次にかぼちゃのヘタの状態に注目しましょう。
ヘタが乾燥しコルクのようになっているかぼちゃは、収穫後適正な期間貯蔵された完熟の証です。冒頭でも説明した通りかぼちゃは収穫後熟成させないと味が薄く水っぽいかぼちゃになってしまうので、かぼちゃ選びにおいてヘタをチェックすることは重要です。
1玉かぼちゃの選び方3|重量感がある


最後にかぼちゃの重さを確認しましょう。
ずっしりと重みのあるかぼちゃは実や種がしっかり詰まっています。かぼちゃは種がしっかり詰まっている方がおいしいので、ずっしりと重いかぼちゃを選びましょう。
また、ヘタの周りが凹んでいるかぼちゃや、形がキレイで左右対称なかぼちゃは生育状況が良く良品とされています。
カットされたカボチャの選び方


カットされたかぼちゃを見分けるときは、3つのポイントをおさえて選びましょう。
- 果肉が肉厚
- 果肉が濃いオレンジ色
- 種がふっくら太っている
カットかぼちゃの選び方1|果肉が肉厚


おいしいカットかぼちゃを選ぶときは、果肉が肉厚なものを選びましょう。
かぼちゃは収穫後にデンプンが糖へ変わる「追熟」で甘くなります。肉厚=細胞密度が高く、十分に熟している証拠なので、ホクホク&しっかりした甘みを感じやすいんです。
カットかぼちゃの選び方2|果肉が濃いオレンジ色
果肉が肉厚で皮付近まで濃いオレンジ色のモノを選びましょう。
濃いオレンジ色はカロテノイド(β-カロテン・α-カロテン・ルテイン等)の含有量が多いサインです。β-カロテンは体内でビタミンAに変わり、抗酸化作用・免疫サポート・目の健康維持に役立ちます。
また、果肉が濃いオレンジ色なのは、完熟のサインでもあります。栄養満点で美味しいかぼちゃを選ぶなら濃いオレンジ色のものを選びましょう。
カットかぼちゃの選び方3|種がふっくらしている


種がふっくら太っているモノは完熟しているカボチャが完熟の証。
種が十分に肥大するまで果実が成熟 ⇒ 果肉中のデンプンが糖に変換され、ホクホク感&自然な甘さがアップ。未熟果では種が痩せて白っぽく、果肉も水っぽいことが多いんです。
また、かぼちゃの種は食べることができます。ふっくら種は胚乳が充実=タンパク質・不飽和脂肪酸・亜鉛などが豊富。塩水に漬けて乾かし、フライパンやオーブンで炒れば香ばしいスナックやサラダトッピングに。
カットかぼちゃの選び方4|ワタと果肉の白い変色について
またカットカボチャはすぐに鮮度が落ちますが、ワタの部分から傷みやすく夏場はすぐカビがくるので要注意です。傷んだかぼちゃを避けるためにタネとワタの部分はしっかり見ておきましょう。
また切り口の部分が白く変色しているものを避ける方が多いですが、これはでんぷんが結晶化したモノで食べても全く問題ありません。むしろ切ってすぐ白く変色するものは糖度が高い証拠なんです。
かぼちゃの選び方でよくある質問(FAQ)
皮の色は濃い緑がベスト? 黄色い斑点はNG?


日本カボチャや栗系なら 濃い緑でツヤがあるほうが◎。ただし晩成のえびす系は熟すと皮に黄色い“シュガースポット”が出ることがあり、むしろ甘味が強い目印になる場合もあります。斑点がへこみやカビになっていないかを確認しましょう。
同じサイズなら重ければ重い方が甘い?


その通りです。重い=水分が抜けておらず、デンプンが糖化してしっとりしています。軽いものは空洞が大きく、ホクホク感や甘さが不足しがちです。
カボチャを叩いたときの音でも見分けられる?
完熟に近いものは “コンコン”と低くやや重たい音がします。未熟だと“カンカン”と高く硬い響き。とはいえ個体差が大きいので、叩く判定はヘタ・重さチェックの補助と考えましょう。
冬至前に買ったカボチャは追熟した方がいい?
収穫直後はデンプンが多く甘味が出にくいので、15~20 ℃の風通しの良い場所で 1~2 週間追熟すると糖度が上がります。ヘタの周りまでコルク状に乾き、皮にツヤが出たら食べ頃です。
かぼちゃの選び方【まとめ】
今回はおいしいかぼちゃの選び方について解説しました。ぜひ、スーパーでのかぼちゃ選びの参考にしてくださいね。




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